家庭教育支援協会
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進路

 子育てをする過程でどこの家庭でも必ず経験するのが進路に関わる事である。それは進学のための受験だったり、就職活動であったりする。
 
 子どもが生まれたばかりの時は心も体もただひたすら健やかに育つようにと願い、将来の事などあまり深く考える余裕もなく過ごした。
 都会と違い、私の住んでいる地方では、幼稚園は歩いて通える距離の所を選び、小学校中学校は学区内の公立に通う。なんとものんびりとしたものである。だから、高校受験で、初めて親子共々進路に関わるのである。
 
 さて、私には3人の子どもがいるが、3者3様の進路に関わった。今回は長男の話。
 小6の時、突然「お母さん、僕はお父さんの仕事を継いだ方がいいの?」と聞かれた。私は「え〜、何で?」と少々驚いた。「そうね、お父さんの仕事をやりたいのなら、やっていいと思うし、他に興味のある事とかあるならそれもいいと思う。まっ、自分のやりたい事するのが一番だと思うな。」と答えた。息子は「ふ〜ん、そうなんだ。」と言い、その後この話題を出すことはなかった。
 
 最近は最初から私立高校を希望する子もいるが、ほとんどの子は、公立高校が第一志望で、私立は滑り止めに受験するのが普通だった。息子は残念ながら公立高校の受験には失敗し、私は当然私立に行くものと思っていた。ところが、息子は「中学浪人しようかな・・・。」と。主人はやらせてみてもいいのでは・・・。私は・・・、息子に言った。希望の高校に入れなかったのは残念だったね。でも一年後、志望の高校に入れる保証はないよ。一年間高いモチベーションで頑張れる?ここで留まらず先に進んで次を目指すのはどう?とにかく、一晩ゆっくり考えてと言った。息子にとっては辛い経験だったかもしれないが、 どちらを選択するとしても自分で結論を出して欲しかった。
 
 次の日の朝、息子はすっきりとした顔で、「俺、私立に行くわ!」と言った。入学してみると息子のペースに合っていたようで、3年間のびのび過ごしたように思う。大学受験も何とか乗り越え、大学生活も充実していたようである。そして、次に待っていたのが就活である。折しも息子の就活は氷河期と言われた時期である。ある日、就活中の息子から☎。携帯の向こうから暗い声。半泣き状態だったかもしれない。最終選考まで行った会社の面接でかなり意地の悪い質問をされ、落ち込んでいた。「そんな意地の悪い人事のいる会社なんかこっちから願い下げ!あんたを評価してくれる会社は絶対あるから、めげる事自体損だよ。次に行こう!次!」とこっちも泣きたい気持ちを抑え明るく励ました。その後、諦めることなく就活し、今勤務している会社に決まり、現在に至っている。
 
 親が子供にしてやれる事って何だろう、と思う。見守る事と、手を差し伸べる事・・・。究極のところ、この二つしかないような気がする。それを、適切にどの場面でするのか、親側の真価を問われるところではないだろうか。
 
最近、息子が不意に小6の時の話をした。「あの時、母さんに自分のやりたい事やっていいんだよって言われて、俺正直ホッとしたんだよなぁ。」と言った。その頃同級生に後継ぐんだろう?とよく言われていたらしい事や自分が長男だからという責任感からかなりプレッシャーがあったようだ。小6男子が密かに悩んでいたのかと思うと、今頃になって少々胸がつまる。子どもは子どもなりに親を思っている。親の期待に応えようとする。子どもは実に健気である。
 
そんな事を思うとまた泣いてしまいそうになる。最近歳のせいか涙もろくなっている。 
2014年10月13日
                                      家庭教育アドバイザー
                                          攝待 逸子