家庭教育支援協会
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原始仏教を現代に活かす

インド哲学者で仏教学者であった故中村元氏は、著書「原始仏教 その思想と生活」で次のように述べている。
『恥を知らず、厚かましく、図々しく、ひとを責め、大胆で、不正なるものは、生活し易い』 他方、『恥を知り、常に清きをもとめ、執着をはなれ、へりくだり、清く暮らす賢者は、生活し難い』と。
はてさて、これをどう理解するか? 人生には苦労の関所と落とし穴が至る所にある。そこで、親は、かわいい我が子にだけは苦労をさせたくないと願う。そうであれば、親心として、前記の『恥をしらず・・・生活し易い』を積極的に選ぶはずだ。
ところが、実際には、家庭や学校で教えるのが別の内容、すなわち、恥を知り、常に清きをもとめ、執着をはなれ、へりくだり、清く暮らす賢者の生活し難い道だとしたとしたら、矛盾しないだろうか?
愚者が社会的な成功を収めて勢いを増す一方、賢者が忍耐に忍耐を重ね、貧しく、表に出ない、出られない。実際の社会生活において徳を守ることは極めて困難だから、賢者と愚者との板挟みになる。はたしてそれでよいのか? もちろんよろしくない! よろしくないが、それが現実というもの。
愚者の道は、個人や家庭、そして、社会の安全・安心を持続可能にしない。いずれどこかでチェンジが必要である。そのチェンジ方法についてヒントを提供している人がいる。「統合心理学」を提唱している岡野守也氏である。統合心理学とは、心理学・心理療法の両方を統合した「論理療法」と仏教の「唯識」を統合したものだそうだ。日常生活に活かして使えば、むなしさ、落ち込み、不安、怒り、嫉妬などの日々の悩み、感情的なトラブルの悩みの軽減や解消をはかることができるそうで、自己確立から自己実現のあるレベルまでを論理療法が、そこから先の自己超越欲求のレベルは仏教の唯識がふさわしいとする。
まさに温故知新。この統合心理学が悩めるひとびとをセラピーしてくれることを切に希望するところである。
2015年5月4日
日本セラピスト育成協会 会長 岩田一夫