家庭教育支援協会
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みなし家族

友人2名と、ミャンマーのヤンゴン市にある老人施設を訪ねた。広々とした敷地に建物が数棟、手入れのよい南国風の庭。行き交う職員が笑顔で会釈。待合室には3台のホワイトボード。1台1カ月分で、日毎にビッシリと書き込みあり。寄付者の名前と寄付物らしい。長い通路の両側の白い壁面には歴代の寄付者が名を連ね、そのなかにタイガーバームの名も。

 

施設長と面会。設立経緯と歴史、身寄りのないお年寄り300名を収容、入居に際しての面接が3回、医師・看護師・理学療法士が常駐、入居費・食費・被服費・医療費(病院での治療を含む)が全部タダ、死後の整理までタダ、100歳超が数人(ミャンマーは平均寿命60歳)、相部屋だが広いのでプライバシーは保てる、瞑想タイムあり(仏教国)、全員にサプリメントを配っている、などの説明を受ける。

 

運営資金はすべて寄付で、国の援助は微々たるもの。ひとつ一つが日本と異なるので驚き。一番の驚きは施設長の“あなたがたが今寄付をしたいと思っても、3カ月待ってください”の一言。寄付をするのに3カ月待つ? ありえない・・・。

 

さらに一言、“介護方針があなたの国とは異なります。日本では入居者をお客様として扱い、お客様サービスを提供しますが、私たちはそうではありません。家族として支えるのです”。この違いはどういうこと?

 

滞在中、ミャンマー人の若いご夫婦宅でお世話になった。子どもは女児が一人の一般家庭なのにお手伝いさんが2人もいる。2人とも若い。一緒に食卓を囲み、同じものを食べている。住み込みで、家族の一員のようである。お互いに面倒を見合い支え合っている。

 

帰国してからも、医療や介護のありかた、育児や教育について、官と民との役割、国・社会・制度のありかたなどいろいろ考えるが、いつの時代も家族が基本であり土台である。いじめ・うつ・介護殺人・クレーマー・・・、現代に生きる私たちは、ともすると家族の問題を国の問題にすりかえ、責任を問う側に回るきらいがある。私たちが今できることは何か?家族とは何か?を真剣に問う必要がある。その上で、家族がいなければ、「みなし家族」を入れて、本物の家族のように暮らしてみるのはどうだろうか。

 

平成29410

日本セラピスト育成協会会長

岩田一夫