家庭教育支援協会
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VIVA ! 高齢社会!!

  厚労省「人口動態統計2015年」によると日本の老齢人口は総人口の26.6%で平均寿命は男性80.76歳、女性87.05歳。高齢化率は主要国(日,米,独,仏,中,韓,スウェーデン)中1位だったという。2025年には老齢人口は30%を超えると予想されています。私たちはこの高齢化日本をどのように評価すればいいのでしょう。

 かつて石原慎太郎氏が「文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものはババアなんだそうだ。」と発言して大きなひんしゅくを買ったものですが、後に生物学者の福岡伸一氏は「ババア及びジジイの存在がもたらしたものこそが文明だったのである」と反論されています。二人の論拠はともに「生殖期間が終わった後も30年にも及ぶ“老後”がある生物は人間だけだ。」でした。

 老後の存在という人間の特性が、石原氏の言うように、有害(不利)なものであれば進化の過程で消滅していたはずです。しかし、現実として受け継がれている以上、人間にとっては有利な特性だと言うことです。福岡氏はその有利さについて「次世代の子育てを手伝い、知恵・知識を遺伝子とは別の形で手渡すことが、ヒトが生き延びる上で欠くことができない価値を持ったから。」と述べています。つまり、知恵や知識を次世代に伝え続ける文化を担ったジジイ、ババアがいることそのものが文明であると言うことです。

 とかく高齢社会といえば、何もできない無駄で金のかかる人間が多い、進歩のない暗い社会をイメージしがちです。しかし、存在そのものが文明であるジジ・ババの多い社会はそれだけ、受け渡すべき知恵や知識、体験が数多く多種多様にあると言うことでしょう。その分、それまでとは違って大きな可能性を秘めた明るい社会であると言えます。

 私自身、子どもの教育を生業としてきました。“教える”ということは、「知識」を「食べ物」に例えると、“知識を食べやすいように「美味しく」調理をして、より多く食べさせること”だと考えていました。つまり、たくさん食べさせることが健康に育つことになると考えていたのです。子ども自身が食べたいと思った時に、思ったものを、食べたいだけ食べさせた方が、結果的に、大人になった時に必要な栄養分が多く取れていることに気付いたのは、恥ずかしながら、50歳に手が届くようになってからです。「急がば回れ」の意味を実感させられました。以来、子ども達が自分の力で食べられるように、培い、時には背中をさすったり叩いたりしながら寄り添い、成長を見守ることが私の仕事だと思っています。

 本来、このような子どもの“学ぶ力”は、家庭の教育に依るところが大きく、保護者の理解が重要です。従って、私の「老後」は家庭教育という文化を次世代に伝える役目を担っていると言えるのでしょう。

 私以外にも、次世代に伝えておくべき知恵や大切なことを持っている老後世代の人はたくさんいる筈です。彼らが一歩前に出て、行動できたならば、世界で最も早く到来する日本の高齢社会は、希望に満ちた文明社会へと進化を遂げることでしょう。

 全ての高齢者たちよ、声高らかに叫ぼう  VIVA  高齢社会 !!

2017年6月12日

家庭教育師・家庭教育アドバイザー

進路アドバイザー

石井 登